《こんにちは》(一部)1989年/シルクスクリーン
《南瓜》(一部)1982年/シルクスクリーン
《靴をはいて野にゆこう》(一部)1979年/シルクスクリーン
《帽子(Ⅰ)》(一部)2000年/シルクスクリーン
《赤かぼちゃ》(一部)1992年/シルクスクリーン
《レモンスカッシュ(2)》(一部)1999年/シルクスクリーン、ラメ
《とかげ》(一部)1989年/シルクスクリーン
《うるわしき夜(ABCTW)》(一部)2005年/シルクスクリーン

草間彌生 版画の世界 -反復と増殖-

会期・会場
2024927日(金)~1110日(日)
鹿児島市立美術館 一般展示室(1・2)

世界的前衛芸術家・草間彌生(1929~)の版画の世界をご紹介する展覧会です。
草間彌生は1993年第45回ヴェネチア・ビエンナーレにおいて、日本を代表する作家として世界の舞台へと立ちますが、その前段で積極的に版画制作に取り組んだことも、現在の評価につながる大きな原動力となりました。

草間彌生は1979年に版画作品を初めて発表します。そこには米国から帰国後の死や苦悩をテーマにした作品とは対照的に、華やかなモチーフが色彩豊かに表現されています。それまでの抽象的な表現に加え、具体的なモチーフが色彩豊かに表現されています。南瓜、ドレス、葡萄、花や蝶など日常的なモチーフが網目や水玉で構成され、明瞭な色彩をまといます。網目や水玉の増殖が創作活動の根幹にあった草間と、複製芸術である版画は必然的に出合ったと言っても過言ではないでしょう。

近年は、富士山を主題に浮世絵の木版画の技法を用いた連作や、モノクロームの大型シルクスクリーン作品「愛はとこしえ」シリーズなど、特徴的な作品を発表しています。
本展覧会では、世界最大の草間コレクションを誇る草間彌生の故郷・長野県松本市にある松本市美術館が所蔵する340点にも及ぶ版画作品から厳選した作品に作家蔵の作品を加え、草間彌生の版画芸術の魅力と軌跡を展観します。

※本展は2022年夏に松本市美術館で開催された特別展「草間彌生 版画の世界」の巡回展となります。
※展示作品数は会場によって異なります。

草間 彌生 YAYOI KUSAMA

前衛芸術家、小説家。1929年、長野県松本市に生まれる。幼少期より水玉や網目を描く。1957年に渡米、ニューヨークを拠点にネット・ペインティング、ソフト・スカルプチャー、鏡や電飾を用いた革新的なインスタレーション作品を発表。さらにボディ・ペインティング、ハプニング、ファッション・ショー、映画など多様な表現を欧米で展開する。1973年に帰国、活動拠点を東京に移し、美術制作に加え、詩や小説の文筆活動も行う。野外彫刻や企業とのコラボレーション、ドキュメンタリー映像などを通じて幅広い世代に知られるようになる。

世界各地の美術館で大規模な展覧会が開催され、2016年文化勲章受章。2017年、草間彌生美術館を東京都新宿区に開館。

代表作に「無限の網」、「無限の鏡の間」、「水玉強迫」、「南瓜」、「わが永遠の魂」シリーズなど。現在も精力的に制作を続ける。